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納豆の栄養素を成分ごとに徹底解説!ひきわり納豆との違いもご紹介

日本の朝食の定番として親しまれている納豆は、昔から「健康に良い食品」として多くの人に愛されてきました。その高い栄養価から、「栄養の宝庫」とも称されています。

ところで、同じ納豆でも粒納豆とひきわり納豆では栄養素に少し違いがあることをご存じでしょうか?
本記事では、納豆に含まれる主な栄養素を成分ごとに詳しく解説し、ひきわり納豆との栄養面での違いについても紹介します。

毎日の食生活に納豆を取り入れる際の参考に、ぜひお役立てください。

納豆の栄養成分表

一般的な納豆(納豆・たれ1パック約45g)には、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維などがバランスよく含まれています。
発酵により大豆の栄養価が高まり、体内で吸収されやすくなる点が特徴です。

例えば、お城納豆マミ(1食45gあたり)には、主に以下のような栄養素が含まれています。

エネルギー 91kcal
たんぱく質 6.4g
脂質 3.9g
炭水化物 7.6g
食塩相当量 0.4g

納豆に含まれる五大栄養素

納豆が健康に良い理由の一つは、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルという五大栄養素をバランスよく含んでいる点にあります。ここでは、それぞれの栄養素について詳しく解説します。

炭水化物

炭水化物は、日常生活や運動、脳の活動などに必要なエネルギーを供給する重要な栄養素です。この栄養素は大きく「糖質」と「食物繊維」の2種類に分けられます。
納豆に含まれる糖質の多くは、大豆由来の複合糖質や発酵による成分分解質で構成されており、単純糖質(ブドウ糖や果糖など)に比べ、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。
また、食物繊維は腸内環境を整え、便通の改善や血糖値のコントロールに役立ちます。
さらに、納豆は血糖値の急上昇を防ぐ「低GI食品」としても注目されています。
GIとはグリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食品が血糖値に与える影響を示す指標であり、数値が低いほど血糖値が上がりにくいことを意味します。

納豆を朝食に摂ると、ゆるやかにエネルギーが供給されるため、午前中のパフォーマンス維持につながることがあります。
また、発酵によって一部の炭水化物が分解されているため、消化吸収の負担が軽減されている点も特徴的です。

たんぱく質

たんぱく質は、人間の体を構成し、その機能を維持するために欠かせない栄養素です。
体の約20%はたんぱく質でできており、筋肉、骨、皮膚、髪、爪といったあらゆる組織の主要な構成成分となっています。
また、酵素やホルモン、抗体などの成分として、体のさまざまな機能を調節する働きもあります。

納豆は、大豆由来の優れた植物性たんぱく源です。
植物性たんぱく質は動物性たんぱく質と比べてヘルシーなイメージがある一方、大豆由来のたんぱく質は必須アミノ酸のバランスが良く、栄養価が高いことで特に注目されています。

さらに、納豆に含まれるたんぱく質は、発酵によって分解・変性されているため、消化吸収が効率的に進むのが特徴です。つまり、通常の大豆をそのまま食べるよりも、納豆を摂取することで、アミノ酸などの栄養素を効率よく体内に取り込むことが期待できます。

脂質

脂質は細胞膜の主要な構成成分であり、細胞の形を維持したり、物質の出入りを調節したりと、私たちの体にとって重要な役割を担っています。
一方で、「脂質=太る」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、健康を維持するために欠かせない栄養素です。

納豆に含まれる脂質は、主に大豆由来の不飽和脂肪酸です。中でもリノール酸やオレイン酸は、心血管系の健康をサポートする効果が期待されています。
また、動物性脂肪に比べて、コレステロール値への影響が少ないため、適量を摂取することで生活習慣病の予防にも役立つ可能性があります。

ビタミン

納豆は、ビタミンB群、ビタミンE、ビタミンKなど、健康維持に欠かせないビタミンを豊富に含む食品です。これらのビタミンは、エネルギー代謝のサポート、抗酸化作用、血液凝固など、体のさまざまな機能を支える重要な役割を果たします。

特に、納豆はビタミンKを非常に多く含むことで知られており、骨や血管の健康を守るために大切な栄養素となっています。

ミネラル

カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、カルシウムといった必須ミネラルもたっぷり含まれています。
ミネラルは体内で合成できないため、食事を通じて摂取する必要があります。
納豆を日常的に摂取することで、これらの大切なミネラルの安定した摂取源として役立つことが分かります。

ひきわり納豆との違い

納豆には、大きく分けて粒納豆(一般的な形状の納豆)とひきわり納豆の2種類があります。
粒納豆は、名前の通り大豆の形や大きさをほぼそのまま残した状態で加工されているのに対し、ひきわり納豆は大豆を一度細かく砕いてから発酵させるため、粒が小さく柔らかい仕上がりになります。
粒が小さいひきわり納豆は、口当たりが良く、かみ応えや食べやすくなるだけでなく、香りや風味の広がり方にも変化が生じます。

こうした製造方法の違いは、見た目や食感だけでなく、栄養素の構成にも影響を与えます。
特に、大豆の外皮を取り除くかどうかが大きな要因であり、この違いが、ひきわり納豆と粒納豆の栄養バランスの差につながります。

ひきわり納豆と栄養素が異なる理由

ひきわり納豆は、大豆の皮を取り除いて加工されるため、外皮に多く含まれる食物繊維やミネラル、ポリフェノールがやや減少する傾向にあります。
特に、食物繊維やポリフェノールは大豆の“機能性成分”として注目される栄養素なので、この点がひきわり納豆のデメリットとも言えます。

しかし、外皮を取り除くことによって、消化吸収率が上がるというメリットも生じます。
大豆の皮は人によっては消化に負担をかけることがありますが、ひきわり納豆では皮があらかじめ取り除かれているため、大豆由来のたんぱく質やビタミン、ミネラルなどをより効率良く吸収できる可能性があります。
その結果、同じ納豆であっても、粒納豆とひきわり納豆では栄養素のバランスや体内での利用効率がわずかに異なるのです。

さらに、ひきわり納豆は粒を砕いたことで表面積が増え、発酵がより均一に進みやすいという点も特徴です。
納豆は納豆菌による発酵が命ともいえる食品であり、表面積が広がることで納豆菌が繁殖しやすくなります。その結果、ビタミンK2など一部の栄養素が粒納豆と同程度、あるいはわずかに多く含まれる可能性もあります。

ひきわり納豆1パックの栄養素

ひきわり納豆の栄養価は、1パックあたり粒納豆とほぼ同じですが、食物繊維や一部のミネラルがやや少ない傾向があります。

以下は、当社の粒納豆とひきわり納豆の1パックあたりの栄養素を比較した表です。

お城納豆マミ(粒納豆) 丸美屋ひきわり納豆
エネルギー 91kcal 89kcal
たんぱく質 6.4g 7.1g
脂質 3.9g 3.8g
炭水化物 7.6g 6.8g
食塩相当量 0.4g 0.5g

この表から分かるように、ひきわり納豆は粒納豆に比べて、エネルギー、脂質、炭水化物がわずかに少なく、たんぱく質が多い傾向があります。

どちらの納豆を選ぶかは、味や食感の好み、健康状態に合わせて決めるのが良いでしょう。

よくある質問

Q1:納豆は毎日食べても大丈夫ですか?
A1:基本的には、納豆は毎日食べても問題ありません。ただし、イソフラボンをはじめとする特定成分の過剰摂取は避けた方が良いでしょう。
1日1〜2パック程度が一般的な目安とされており、これを超える摂取は控えましょう。

Q2:納豆は加熱しても良いですか?
A2:加熱するとナットウキナーゼなどの酵素が失われやすくなります。栄養素全体が大幅に失われるわけではありませんが、機能性成分を最大限に生かしたい場合は、加熱せずそのまま食べる方が効果的です。

Q3:納豆は賞味期限を過ぎても食べられますか?
A3:表示された賞味期限を守ってください。発酵食品である納豆は、期限が多少過ぎても食べられる場合がありますが、風味の劣化やアンモニア臭が強まることもあるため、自己判断には注意が必要です。安全面・品質面から、賞味期限内に食べるようにしましょう。

Q4:納豆の匂いが苦手な場合の対処法は?
A4:キムチや薬味、香味野菜と一緒に食べることで匂いを和らげることができます。また、ひきわり納豆は粒納豆よりも匂いが弱いとされるため、匂いが苦手な方にはひきわり納豆がおすすめです。

Q5:ひきわり納豆と粒納豆、どちらが健康的ですか?
A5:どちらも健康的で、栄養価は大きく変わりません。
消化吸収を重視するならひきわり納豆、食物繊維や外皮由来の成分を重視するなら粒納豆、という形で用途に応じて選ぶと良いでしょう。

まとめ

納豆は、日本が誇る伝統的な発酵食品であり、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルといった五大栄養素をはじめ、さまざまな栄養成分を豊富に含む「栄養の宝庫」です。
ひきわり納豆は消化吸収に優れる点が特徴で、粒納豆は外皮由来の栄養素を多く含んでいる点が魅力です。それぞれの特性を生かし、好みや目的に応じて選ぶと良いでしょう。
栄養学的にも、納豆は非常に優れた食材と言えます。納豆を毎日の食生活に取り入れ、健康維持や体調管理に役立ててみてください。